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このセクションでは、ベルギーにおける知的財産保護について概説します。
知的財産権に関係する保護は、商標、著作権、特許、ソフトウェア、意匠とモデル、データベースなどの権利まで及びます。営業秘密、機密情報、特別なノウハウは知的財産とはみなされませんが、ある程度の保護は適用されます。
商標
商標権とは何ですか? どのように取得するのですか?
商標とは、製造業者や商人が、自らの製品と他者が製造または販売する製品と区別するために使用する任意の名称、図面、シンボル、スタンプ、文字、図、製品や包装の形状、その他の標示、またはこれらの組み合わせと定義されます。
商標は、製品にもサービスにも使えます。ほとんどの商標は個別のものですが、ラベル(集合的商標)も規制の対象です。ベネルクス三国での商標権は一般的に、商標の最初の使用ではなく、最初の登録により付与されます。とはいえ乱用を防ぐために、最初の使用者に優先権を与える例外規定が設けられています。
登録申請は、ベルギー政府、またはハーグ(Hague)にあるベネルクス知的財産庁(Benelux Office for Intellectual Property)に提出します。登録申請を受理した当局は、申請者から明示の要請があれば、商標案が既存の商標と一致しないかどうかを確認する事前調査を実施します。
手続きが完了したら直ちに、当局は商標の申請を公表します。先行する商標の所有者は、申請公表の翌月1日から2ヶ月以内に、所定の条件に従い、反対意見を提出して新規商標の登録に異議を申し立てることができます。
ベルギーで申請された商標保護はすべて、ベネルクス三国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)で適用されます。
ベネルクス三国での商標保護(1から3クラスまで)の費用は約600ユーロです(エージェント料と公的税を含み、VATは除く)。
ベネルクスでの商標とは別に、欧州連合(EU)加盟27ヶ国すべてで保護される共同体商標を取得することもできます。共同体商標の申請は、アリカンテ(Alicante)にある欧州共同体商標意匠庁(Office for Harmonization in the Internal Market:OHIM)に提出し、OHIMが商標権を付与します。
EU全域での保護の費用は、申請に対する異議が出されず、OHIM当局に意見がなければ、最大3クラスで約2,500ユーロになります(エージェント料と公的税を含み、VATを除く)。
ベルギー国内事務所
PIIE(経済省)
North Gate III
Koning Albert II-laan 16
1000 Brussels, Belgium
Tel: +32 2 206 48 18
Fax: +32 2 206 57 50
ベネルクス知的財産庁(The Benelux Office for Intellectual Property)
Bordewijklaan 15
NL-2591 XR Den Haag, The Netherlands
Tel: +31 70 349 11 11
Fax: + 31 70 347 57 08
Website: http://www.bmb-bbm.org
欧州共同体商標意匠庁(Office for Harmonization in the Internal Market)
Avenida de Europa, 4
E-03008 Alicante, Spain
Tel: + 34 96 513 9100
Fax: + 34 96 513 1344
Website: http://oami.europa.eu/en/dialog.htm
商標に与えられる保護はどのようなものですか? 保護期間はどのくらいですか?
登録手続きが完了すると、商標の保有者には保護が与えられます。保護の期間は10年で、無制限に更新することができます。商標の本来の使用が5年間連続して中断した場合には、保護は失効します。若干の例外はありますが、基本的に登録後または更新時に商標を変更することはできません。
商標の保有者は、その商標の無断使用に反対することができます。つまり、商標の独自の機能または広告的機能が侵害されている場合のことで、これは一般的に、他企業が同一または酷似する製品やサービスにその商標や類似標示を乱用している状況です。商標保有者は、その使用の禁止命令を裁判所に求め、損害賠償を得るか、罰金を科させることができます。
著作権
著作権とは何ですか?
著作権(著作者の権利)は、「芸術的、文学的著作物」(アイデアの独自の表現や提示)を保護するものです。ベルギーでは、独自の創作表現や提示がなされた時点から、いかなる登録も必要とせずに著作権が保護されます。著作権を保有できるのは自然人だけですが、著作権に含まれる人格権は例外として、著作権を法人に譲渡するのは自由です。1つの著作物に複数の著作者がいる場合には、共同著作物の利用を損なわない限りにおいて、各著作者が著作物への自らの貢献部分を利用することができます。また、著作者全員が権利の行使を契約で定めることもでき、こちらのほうが有効な解決策になります。しかし、著作物への各々の貢献を分割できず、著作者同士が合意に達しなくとも、各著作者には以下の権利が与えられています。
著作権者にはどのような保護が与えられるのですか?
著作権は著作者の死後70年間有効です。著作者が複数人の場合の有効期間は、最後まで生存した著作者の死亡時点から70年間となります。著作者が不明の場合は、原作発表から70年間です。ベルギーの著作権法は、著作権の法的保護に関して一定の区別をしています。金銭上の権利、すなわち著作物が複製されるかどうか、どのように複製されるかを管理する権利、および著作物が公衆に利用可能となるのを防ぐ権利は、一般的に財産権を伴うものであり、移転することも、また使用許諾を付与することも可能です。次に、人格権、すなわち著作者として知られる権利、著作物が開示される時期を決める権利、著作物の改変に反対できる権利は、芸術的完全性として著作権の定義に含まれています。人格権は金銭上の権利とは相対するものであり、原則として譲渡はできません。著作権保護には主として以下の権利が含まれます。
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著作物の複製方法、伝達方法を管理する権利
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著作者として知られる権利
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著作物が開示される時期を決定する権利
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著作物の改変に反対する権利
特許
特許はどのように保護されるのですか?
特許保護は、独創性を備え、産業への応用に役立つ新しい発明に与えられます。ベルギーの特許法には、生物材料(遺伝子情報を含み生殖可能な物質、または生態系内で生殖される物質)、あるいは生物物質を生産、加工または使用する工程に関わる発明であっても、特許取得は可能であると明確に述べられています。
発明と認定されるには、現状の技術に属するものであってはなりません。特許は、新しい製品やプロセス、既知の手段の新たな応用、または既知の手段の新たな組み合わせに与えられます。ベルギーでは、発明者またはその受託者(発明者の雇用者など)が特許申請書を提出でき、経済省(Ministry of Economic Affairs)に出願します。申請書は、特許庁(National Patent Office)が支給する書式で提出します。当該分野で最低限の資格を持つ人であれば、さほど問題なく装置を組み立てられる程度に詳細な技術図面と仕様書を添えて出願手続きをします。特許調査は義務づけられていませんが、調査をしなかった場合、保護の持続期間が短縮します。
特許の保護期間は、特許調査をした場合で20年、調査をしなかった場合は6年です。国際的な保護を得るためには、特許調査をしなくてはなりません。特許が登録されると、保有者は特許付与から3年目以降に生じる特許年税を支払わなくてはなりません。ベルギーの特許税は3年目35ユーロで始まり、最終年の20年目に545ユーロになります。特許保護には、発明の利用、使用許諾の付与、特許の譲渡などができる独占的権利が含まれます。ただし特許保護にはいくつか例外があり、例えば保有者が技術を一般公衆の利用可能なものにしない場合、保護は与えられません。
商標や意匠とは異なり、共同体特許はありません。しかしながら、欧州特許協定に基づき、各国での特許を1回の手続きで一括取得することができます。
ソフトウェア
ソフトウェアはどのように保護されますか?
EU加盟国では、コンピューター・プログラムは著作権と特許で保護されます。しかし当然ながら、両方の保護手段の条件が満たされていなければなりません。
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著作権保護は、コンピューター・プログラム(ソフトウェア)のあらゆる形式での表現(ソース・コードまたはオブジェクト・コード)、そのインターフェース、準備段階の設計材料にも適用されます。著作権法の一般原則として、インターフェースの基礎となるものも含め、コンピューター・プログラムの何らかの要素の基礎をなすアイデアや原理は著作権保護を受けられません。コンピューター・プログラムは、著作者独自の知的創造物であるという意味においてオリジナルでなければなりません。前述の保護条件を満たすコンピューター・プログラムの著作権保護については、いかなる手続きもありません。コンピューター・プログラムの著作権保有者は、ソフトウェアを制作した自然人(または自然人のグループ)です。しかしながら、複数人の被雇用者が職務遂行の過程で、または雇用者からの指示に従って制作したコンピューター・プログラムの場合、ベルギーの法律では雇用者が著作権保有者に指定されることになっています。ソフトウェアが独立した契約者によって開発され、注文した会社がそのソフトウェアの著作権を取得しようとする場合には、そのソフトウェアの知的財産権の移転が契約で規定されなくてはなりません。紛争を防ぐためには、雇用者と被雇用者の関係であっても、必ず明確な契約を交わすことが勧められます。著作権保護の期間については、一般的な規則が適用されます(上記「著作権」も参照)。
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原則として、コンピューター・プログラムそのもの、およびビジネスの方法は、米国や日本とは異なり、欧州では特許資格から除外されます。ただし欧州特許庁は、コンピューター・プログラムがコンピュ―ターで作動し、プログラム(ソフトウェア)とコンピューター(ハードウェア)との「通常」の物理的相互作用を超えて技術的効果を生む場合は、コンピューター・プログラムを特許資格から除外しないことを欧州特許条約で認めています。ソフトウェアの実行だけでは不十分で、技術的な成果または効果(技術的問題に対する解決方法)がなくてはなりません。例えば、生産工程制御ソフトウェアは、それによって生産工程が変化し、生産能力を増大させるのであれば、特許の対象となります。コンピューター・プログラムが特許を取得するためには、いかなる場合においても、あらゆる種類の発明に適用される条件を満たさなくてはなりません(上記「特許」も参照)。
意匠とモデル
意匠とモデルはどのように保護されますか?
商標の場合と同じように、ベネルクスの制度と欧州共同体の制度が並存しています。
ベネルクスの法律は、有効性と侵害に関する基準についても、存続期間についても登録共同体意匠と同じです。
これらの規則に準拠し、製品そのものやその装飾物のライン、輪郭、色、形状、テクスチャー、素材などの特徴から生じる製品の全部または一部の外観に保護が付与されます。
保護を受けるためには、個性的な特徴を持つ新しい意匠でなければなりません。登録申請日より前に同一のものが公表されていなければ、新しい意匠とみなされます。説明を受けた使用者が抱く全体的な印象が、すでに公表されている別の意匠に抱く全体的な印象と異なれば、その意匠は個別的な特徴を持っていることになります。
製品の外観の特徴が技術的な機能で決まる場合には、保護は付与されません。また、意匠が組み込まれている製品(または意匠が機械的に接続されている、あるいは別の製品の内部や周辺に意匠が置かれているか、接触している製品)で、製品も意匠もその機能を果たすために正確な形に復元されなければならない場合、そのような外見的特徴にも保護は与えられません。
ベネルクスで意匠とモデルの保護を受けるためには、登録をしなければなりません。共同体モデルの場合、登録義務はありませんが、登録意匠と無登録意匠には2つの大きな違いがあります。まず保護期間です。無登録共同体意匠の保護期間は3年間ですが、(ベネルクス登録モデルと)登録共同体意匠は5年間で、最長25年まで更新可能です。
もうひとつの違いは、登録意匠の場合、複製や同一または類似意匠の第三者による開発から所有者を保護するのに対し、無登録共同体意匠は、意匠の複製についてのみ所有者を保護します。著作権保護と意匠・モデル法を組み合わせることは可能です。ベネルクスでの意匠・モデル登録にかかる費用は約400ユーロ(エージェント料と公的税を含み、VATは除く)、共同体意匠の登録費用は約730ユーロ(エージェント料と公的税を含み、VATは除く)です。
データベースの保護
データベースとは何ですか?
データベースとは、体系的に秩序立てて配置され、電子的その他の方法で個別にアクセスできる個々の著作物、データその他のマテリアルの集合体です。
データベースはどのように保護されますか?
EU域内では、各加盟国の保護規則の条件が満たされていれば、二重の保護を受けることができます。
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EU加盟国では、コンテンツの選択または配置により著作者の知的創造とみなされるデータベースは、著作権(上記「著作権」を参照)として保護されます。著作権規則に準拠して保護を受けるためには、コンテンツの選択や配置に一定のオリジナリティーがなくてはなりません(論理的で、明白な選択や配置は著作権保護を受けられません)。データベースに関係する著作権の所有者は、データベースを制作した自然人、または自然人のグループです。しかしながら、EU加盟国の法律で許可される場合は、別の法人をデータベース権の保有者に指名できることに注意してください。ベルギーの法律では、複数人の被雇用者が職務遂行の過程で、または雇用者からの指令に従って制作した文化的分野以外のデータベースに関しては、雇用者がデータベース権の保有者に指定されています。
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EU加盟国は、データベースのコンテンツの全部または相当な部分(質的または量的に評価して)の抜粋や再利用を防ぐために、コンテンツの取得、確認または表示に質的または量的に相当な投資がなされたことを証明する権利をデータベース制作者に付与しています。この「独自の権利(sui generis right)」は、データベース(構造)の適格性とは関係なく、著作権その他の権利による保護に適用されます。これはさらに、コンテンツ(画像など)の適格性とも関係なく、著作権その他の権利による保護に適用されます。独自の権利の所有者は、データベースの制作者です(主導権を取り、投資のリスクを負った者)。これに関しては、被雇用者と契約者は権利の保有者から除外されます。データベースが特定の保護を受けるための手続きはありません。独自の権利の保護期間については、データベースの制作が完了した日から有効となり、完了日の翌年の1月1日から15年間です。連続的な追加や削除、変更の累積よるものを含め、データベースの大幅な変更(質的または量的に評価して)で、新たに相当な投資(これについても質的または量的に評価して)を必要とした変更は、その投資により生じたデータベースとみなされ、15年間の保護を受けられます。従って、「独自の権利」の所有者は、いわば永久的なデータベース保護を計画することができます。
営業秘密、機密情報、特別なノウハウ
営業秘密、機密情報、特別なノウハウはどのように保護されますか?
一般的に、営業秘密、機密情報、特別なノウハウは知的財産とはみなされません。しかしながら、若干の保護は与えられています。このような情報の保護を受けたい当事者は、契約・労働法、公正取引法、刑法など他の法律分野に着目する必要があります。このような情報の保有者が受けられる保護は、侵害の性質によって決まります。労働法に記載される守秘義務を犯した従業員は、即刻解雇され、雇用者に侵害賠償を支払うリスクを負い、また不正行為が関わる場合は刑事訴追されることもあります。ノウハウの受益者が第三者である場合、ノウハウの開示は機密保持契約で防ぐことができます。権利を保護する契約上の規定がない場合、損害を受けた当事者は、公正取引法または民法のいずれかで救済を求めることができます。有害な活動は裁判所命令で差し止めることができ、また損害賠償金を受けることもできます。
ベルギーにおける知的財産権の執行
ここまでは、様々な知的財産権、それらの権利の取得方法、付与される保護について説明しました。
もうひとつ質問があります。ベルギーでは、侵害したとされる人に対して、これらの権利はどのように執行されるのでしょうか?
ベルギーの種々の知的財産法、ベルギーが締結している国際条約、ベルギー民事訴訟法、これらには、知的財産権の所有者がベルギーの裁判所に様々な執行手段を要求できる規定が含まれています。
例
上記の民事的措置のほかに、ベルギーの法律は、特定の侵害(悪意的または詐欺的著作権侵害)に対して刑事制裁(罰金、場合によっては禁固刑)を規定しています。
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